2008-07-31

コトクラゲ

堅琴型をしているから命名されている
(堅琴ってこんな形でしたっけ?)
この種は実は由緒正しい生物です。

学名:Lyrocteis imperataris
の小種名の『imperataris』
は昭和天皇が本種を採取したことにより命名された

のが由来だそうです。

クラゲと言っても、よく見たり普通クラゲといって想像するだろう、
海を漂っている浮遊性のクラゲは
刺胞動物門
に対し、
本種は有櫛動物門というものに位置しています。

以前はどちらも腔腸動物門に入っていて、
広い意味では仲間で、近からず遠からずといった具合ですが、

クラゲという名前がついています。

クラゲとついても浮遊せずに着底生活しているのも特徴。

と、ここまでひっぱったのですが、

こいつをコトクラゲに同定するには早合点で、
別種の可能性も充分に考えられるそうです。

見た目などは限りなくコトクラゲなのですが、
まぁ、そこは生物学上同定するには必ず標本が必要なのでしょう。

コトクラゲは実は深海に生息しており、ひじょうに稀少な種だそうです。
ですので、別種の可能性大。

学名に戻って

属名『Lyrocteis
で記載されているのは現在2種類で
もう1種は寒冷地に生息しているそうです。

ということは未記載種である可能性が高いのですが、
どの道、他のポイントで見た事のない、
とても魅力的な生き物です。

PJで大量発生した年もありましたが、
基本的にはポツポツと見られる程度。

カラーバリエーションも豊富で今までに15種類ほど、
撮りためています。

PJにはいつまでも
そんな貴重な生き物が集まる場所であって欲しいものです。


ダイブストップページ 今月の1枚 更新しました!!
美しいベニハゼ登場!!
こちらからどうぞ

2008-07-29

コトクラゲ

今、PJに異変が起きています。

海がやたらとキタナイ。

昔、PJとは全然違うポイントですが、
ゴミを船に乗せてちょっと沖合いの海に
「どばぁ~!!」っと捨てていた村がありましたので、
ん?それをやられたか?と思いましたが、どうやら違う模様。

元来、バリ島の田舎に行けばゴミの収集などはなく、
基本的にはゴミは川に捨てる=海に捨てる。

数ヶ月前からPJの海を背にした岡の上に新しいホテルの建設が行われています。

いままであったホテルとは色々なことがあり、
新ホテル建設に関してはとても喜ばしいことなのではあります。
が、
ホテル建設にあたり、岡の上の森林を伐採し造成しているのですが、
その木っ端や元来ゴミだらけのバリ島なので、その木々に埋もれていたゴミが
全部PJの海に流れ込んできているのです。

はっきりいってキタナイです。

昔のシークレットベイをちょっとだけ想いださせます。

木っ端、プラスチックなどのゴミと一緒に山を削っているわけですので、
一緒に土砂まで流れてきています。
ということで、浅場はとても透明度が悪い。

土砂が堆積すると体積し始めは生物がいなくなります。


木っ端には隠れ家やすくなるので、生物は増えます。

今現在、すでに少し生態系に影響が出始めています。

人為的ななにかではなく、自然のままの海であって欲しいものです。

木々を切り開いた時に木々に隠れてたゴミの流出ということと、
今現在ほぼ、伐採&造成は終わっているので、
おそらく一時的なことだとは思っています。

一応、建設主と業者とは話しをしましたので、
後はどこまで理解を得るかによります。
PJにはこんなに珍しい生物もいるんだということを
分かって欲しいですね(別に珍しいものがいるいないは関係ないですが)

ということで珍しい写真の解説は明日にします。

2008-07-28

リュウグウベラギンポ

色々なポイントで見られる本種。

でも、他のポイントで見ても、あまり気にもとめられないのが現状なのですが、
PJで見れる、こいつには多くのゲストが立ち止まります。

基本的に臆病で近づくことが容易ではないので、遠くから見る。
遠くからディスプレイしてる姿は確認できるのですが、
イマイチ、美しいというほどまでは確認できない。
で、もっと近づこうとすると、パッっと砂に潜ってしまう。

これがバリでみられる普通のリュウグウベラギンポ。

PJの場合。

寄れるんです!!それはもう凄く。
動きは速く、ちょろまか、ちょろまかしてるのは同じですが、
あちこちでヒレを全開にしてアピールしまくるこいつが
本当にまじかで見ることができます。

他所の地域はよくわかりませんが、
世界一、寄れるんじゃないか!って思えるほど寄れる。
(根拠はまったくありません。。。)

で、寄れば寄るほど、こいつの美しさが一層、際立ち、引き立つ。

本当にほとんどのゲストが思わず見惚れてしまう、美しさです。

2008-07-27

オキゴンベ

前回、伊豆でよく見られるセミホウボウに似た
別種のさかなを紹介しましたが。

今回は伊豆でよく見られるオキゴンベに似た、
別種ではなく、そのものの同種です。

バリではとても珍しいので、
いると、興奮してついついゲストに紹介するのですが、
この反応の悪さったら、他のさかなの比じゃないかも。。。

ゴールドに輝いたように見える体色といい、とても美しいんですけどね。

過去3個体見ていますが、いつも単体でペアでみたことはありません。

ミナミゴンベと混泳していたりするので、
そのうちハイブリッドでも登場するかな、などと考えていますが、
それはそれで、なかなか簡単なことではないのでしょう。

とても珍しいのですが、1回発見できると、
かなりの長期間に渡っての観察が可能なのも魅力の一つです。

この個体はもう半年以上、同じ場所で見ることができます。

伊豆ダイバーの方。

「なんだオキゴンベか。他の見せろ!!」
って意見のよくわかりますが、
よく観察したらなにかしらの地域差の発見があるかもしれませんよ!!

そのようなことも含め、どこででも見られる種も、
いま1度、じっくり見てみてください。

2008-07-25

スポットウィングフライングガーナード

セミホウボウ。
僕の大好きなさかなの一つ。

PJにはセミホウボウにとてもよく似た、

でもセミホウボウとは別種のさかながいます。

パッと見はセミホウボウに見えるため、
「なんだ、セミホウボウか」
程度で、
ゲストの反応はあまりよくない。。。

個人的には大好きなさかなだから、
反応悪いと、なんで?と思ってしまいます。
伊豆で見なれているからかな?

そうすると、わざとダイビング後

「あのさかな、実はセミホウボウでなくて、
むっちゃ、稀種なんですよ~!!」
と陸上で言う。

「なんで、言わないんだよ~!」

って怒られます。。。

稀、稀でない、に関係なく自分の好きキライで

さかなを見られたら、もっと楽しくなるかもしれませんよ~!!

って、イジワルしても次のダイビングで必ずおみせしますから、

大丈夫です。

逆にいえば、よく見なかったって悔しさから、

その方が嬉しさがひときわだったりするもんです。


2008-07-20

ニラミギンポ

カワイイ生物が好きです。

多くの人はそう思っていることでしょいう。

何故だか魚の場合、
おどおどした表情に愛くるしさを感じてしまったりしませんか?
他の動物だと、そんなことないんですけど。

フグの仲間が「こっちにこないで~!!」って表情で
後ずさりしてる姿とか、です。

カエルウオの仲間も多いですね。

このときは、自分の体よりその穴は狭いだろ???

ッて穴に、キュウキュウに隠れて、こっちの様子を伺っている
表情がなんともいえなくかわいかったです。

2008-07-19

イボイソバナガニ

相変わらず、風の強いムンジャガンですが、
相変わらず、海中はとてもよいです。

普通種、稀種、関係なく、
いつ見ても、嬉しくなってしまう種って、
ありませんか?

そこにいるのはわかっていても、
そこに行ったら、
「はい、こんにちは。いつもありがとう!」
ってそんな存在のやつです。

僕はとくに理由はないんですけど、
こいつを見ると、いつもそんな風に思ってしまいます。

皆さん、恋人、奥さん、旦那さん

に、いつまでもそんな気持ちを持って
迎えていますか????

2008-07-11

インドマルアジ

バリ島は強風にみまわれており、
クタビーチなどでも遊泳禁止になったりしています。

どこのポイントもダイビングができないほどの状況では決してありませんが、

ビーチダイブで波が荒いのはキツイ。

荒れた海をボートで長い時間乗るのもキツイ。

そこでポイントまで5分弱の波にも強いアメンボボートでの
ダイビングがそんな時は一番いいです。

パダンバイも例に漏れず、それなりに波が高いです。

でも、ポイントまですぐ到着!

潜ってしまえばこっちのもん。

いつもの群れがおでむかえ。

こっちで売ってるアジといえばこいつが一般的で、

日本で普通に食べるマアジほどアブラは乗っていませんが、
それなりに美味しいんです。

2008-07-10

ヒメキモガニ

僕が思うカニの好きなところ。

一概には言えないし、上手くも言えないのですが、
なんかこう、視線を感じるので見ると、
ギョロッ!っとした目が「おりょ、みつかっちゃった!」

って訴えかけるような愛くるしい目。

子どもが描くカニ、そのものの目といいえばいいか、
ギンギラパラダイスの『9』といえばいいか。(わからないって。。。)

人気のキンチャクガニのようにいじわるいカワイイ目とも違った、
なんとなく、いばった感じ、でもおどおどしたような、
そんな目と目が合った時、その場に止まってしまいます。

わかるかな?
わからないですね。。。
一緒に見てください。

2008-07-08

レッドスポットドティーバック

ムンジャガンの代表選手の1人。

ただ、どうしてもちょろちょろと動き回るので、

なかなかじっくり観察させてくれない。

ドロップオフの壁際だと、一度奥に逃げたら、
なかなかでてこないのだが、
スロープ状のサンゴの中だと、一定の場所をクルクルと
周って、そのうち、
止まらないにしても姿を臆せず魅せるようになる。
そーなったらチャンス到来。

やっぱり、隠れやすいところは安心できるのでしょう。
同じ種とはおもえないくらい、場所により出かたが違うんです。
見る側も生物にできる限りストレスを与えない見方をしたいものです。

個体数は多いので、じっくり観察できる場所、個体を選んで、
その動き、模様を観察するととても味のある面白い仲間です。

2008-07-07

ストライプヘッドゴビー

1週間ほど前までは
無風状態、鏡のような水面のムンジャガン島でしたが、
とうとう風が吹いてきました。

これが、ほぼ毎日のように8月いっぱいまで続きます。
海中に潜ってしまえば、嘘のようにいつものムンジャガンの光景なのですが、

これからどんどん風が強くなると、
寒いんですよね。
気温は30℃程度はあるんですが、ビュービュー吹きつける風が寒い。
帰りの船中も水ばっちゃばっちゃ、かかってしまいます。

多少、絞られるポイントもでききますが、

基本的には潜る事自体にはまったく問題はありません。
風が強くても海がいいから、ゲストもそんなに気にはしないんですけど。

写真は個体数はけっして多くないですがムンジャガンの一般種。

キレイなんですよねえ。

今日は七夕。

キレイな星空だといいですね!!